・作曲を趣味にしてみたい人
・それぞれのDAWにどんな特徴があるか知りたい人
・周囲に作曲のアドバイスをくれる信頼できるDTMerがいるなら、その人と同じソフトを使うこと
プロを目指すなら、独学よりも師匠的な存在がいたほうが良い。後述する通り、有料DAWなら一通りの事はできるため、プラグインのインストールや操作トラブルも、同じソフトを使っていれば簡単に解決できることが多い。そのため、信頼できる人を見つけ、その人と同じソフトを使うべきである。
無料のDAWは使えるのか?
無料版DAWの欠点
ネットでは、有料DAWの代替として、「Studio One Prime」などの有料DAWの無料版を推奨するサイトがいくつかある。
しかし、Windowsユーザーは、無料DAWを使うのは将来を見据えて避けるのが賢明だ。
例えば「Studio One Prime」無料DAWは、「Studio One」という非常に人気の高いDAWの無料版である。
機能は制限されているが、有料版にスムーズに移行できるという意味で、これらを選ぶのは一見良い選択肢に見える。
しかし、これらのDAWには致命的な欠点がある。
外部VSTプラグインが使用できない点だ。
プラグインを使えない
VSTプラグインとは、DAWで打ち込んだ音色を鳴らすことができるピアノなどの音源や、リバーブなどのエフェクト、様々な作曲ツールのことである。
中には、「高級なプラグインは初心者のうちは使わないから大丈夫」だと思った方もいるかもしれない。
しかし、プラグインを使えないということは、お金の使い道を慎重に見極めたい初心者のうちこそ重宝するはずの無料のプラグインを使用することもできないのである。
例えば、「Modo Bass 2」は有料と同じ音色を無料で出すことができる無課金DTMerにとってありがたいベース音源だが、これも利用できない。
また、いわゆるゲームのピコピコ音を出せる「Magical 8bit Plug」のような、プロも実際の編曲で使用しているようなプラグインも、無料なのにも関わらず使用できなくなってしまう。
外部プラグインを使えないことを我慢して作曲するのは、節約しているように見えて実は大量の無料チャンスを逃しているのである。
「Cakewalk by BandLab」にも注意
他にも無料DAWのおすすめとして挙げられることが多いのが「Cakewalk by BandLab」である。
元々有料版であったものが年月が経って更新が行われない代わりに無料化されたという経緯があるため、一通りの機能が揃っている。
もちろん、外部プラグインも読み込める。
このような事情もあってDTM関連のブログでおすすめされやすい無料DAWの一つになっている。
ただ、このDAWに関しては、「Cakewalk Sonar」と「Cakewalk Next」という2つの有料DAWが発売されるのに伴いサービスが終了するという発表が2023年10月になされている。
記事作成時点ではダウンロード自体はできるようになっているが、いつサポートを終えるかが不明なDAWなので、ダウンロードする際は注意してほしい。
後からDAWを乗り換えるリスク
ちなみに、とりあえず「Cakewalk by BandLab」を使ってみて、いつか他の有料DAWにステップアップするという方法はおすすめしない。
私自身も何度かDAWを乗り換えたことがあるが、メインで使うDAWを変えるのは非常に面倒くさい。
単純に乗り換え作業が煩雑というのもあるが、それよりも慣れ親しんだ操作感がリセットされてしまうため、経験値がリセットされた状態から操作を覚え直すことになり、そのためにかなりの無駄な時間を使ってしまうことになるのである。
そのため、スムーズに乗り換えたいならば同ブランドの有料版となる「Cakewalk Sonar」と「Cakewalk Next」に乗り換えることになることを覚悟しておくべきだろう。
MacOSなら「GarageBand」がおすすめ
このように無料DAWには様々な欠点がある一方で、Macユーザーはこのような悩みを抱える必要はない。
Macは無料の中で最もおすすめなDAW「GarageBand」を使えるからである。
「GarageBand」では外部VSTを使用可能で、かつ有料版であるLogic Proがあるためスムーズに乗り換えやすく、どちらも使用人口が多いためトラブルや操作についての記事や動画なども豊富にある。
そんなわけで「GarageBand」は、初心者にとって十分過ぎる程の性能を持ったDAWなのである。
これまでのまとめ
- Windowsユーザーは最初から有料DAWを選ぶのがベター。
- MacユーザーはGarageBandから始めるのがおすすめ。
有料DAWを選ぶ際の基準
正直、細かい機能面での差はほとんどない。
1日中DAWと向き合うプロのアレンジャーなら操作にこだわる意味はあるかもしれないが、素人や初心者の場合はそれよりも、プラグインの選定やフレーズの作りにこだわった方が良い。
DAWは単なるツールでしかないので、そこまで重要視するものではない。ただし、無料DAWで外部VSTが使えないものは選ぶべきではないというだけのことである。
ただし、DAWを選ぶ時に基準はあるので、それを紹介していきたい。
人気上位のDAWを使う
先ほど述べたようにDAWはツールでしかないので、変に個性を出す必要はない。
あなたのこだわりはメロディーやリズム、音作りなど、聴く人に届く部分のために捧げてほしい。
人気上位のDAWを使うメリットとして、操作やバグで困ったときに助けてくれるユーザーが多いことがある。
予めGoogleやYoutubeを検索して、十分な操作解説がなされているかを確認してからDAWを購入するようにしてほしい。
また、どのDAWがあるか知らない初心者のために、「これを使っておけば大きな問題はないだろう」というDAWをまとめておいた。
ただし、ランキング形式にしているのは、本当に迷って決められない場合の個人的なおすすめ順に過ぎない。
最終的な購入は、これから述べる情報や自分で調べた内容を総合して判断してほしい。
1位 | Cubase |
2位 | Logic Pro |
3位 | Studio One |
4位 | Ableton Live |
5位 | FL Studio |
ランキング解説
Cubase vs Logic Pro
「Cubase」と「Logic Pro」はどちらも有名なDAWで、性能に大きな違いはない。
最上位グレードで比較すると、Cubaseは初心者向けの機能が充実しており、Logic Proは性能に対するコストパフォーマンスが良い。
Macユーザーは好みで選ぶと良いだろう。
Studio Oneの強み
比較的新しいDAWで機能が少なく、画面がスッキリしている。
Cubaseのような歴史の長いDAWに比べて必要な機能だけが揃っている分、操作が分かりやすい。
無料版があるので試用ができ、比較的安価で購入できることなどから、初心者にもおすすめである。
Ableton LiveとFL Studio
どちらも海外での人気が高いため、英語の動画や記事を理解できる方には非常におすすめである。
どちらも体験版があるので、気になる方はまず試してみるのも良いだろう。
ただしFL Studioについては日本ユーザーをあまり見かけないことから、情報の入手しにくさを考慮して5位とした。
まとめ
ある程度人気のDAWならばどれを使ってもそこまで変わらないが、操作手順が体に染み付くDAWを後から変えるのは大変なので、体験版などをうまく活用しながら、自分に合ったDAWを見つけてほしい。
注意点として、CubaseやStudio Oneはセールで安く購入できる時期がある。そのため、最初から最上位グレードを買うのではなく、まずは低グレードのものを購入し、セール時にグレードアップするのがおすすめである。(グレードアップにもセールが適用される場合が多い。)