<祝20周年>UNISON SQUARE GARDENのカッコ良さを語りたい

UNISON SQUARE GARDENってどんなバンド?

フェスバンドアニソンバンドという言葉をご存知だろうか。

言葉通りに解釈すればロックフェスやアニソンタイアップで活躍するバンドということで、それらは一見すると褒め言葉のように思える。

しかし同時に、それらは「フェスでしか見かけずライブにはいかないバンド」や「アニソンでしか売れないアニメに媚びたバンド」といったネガティブなイメージも内包してしまっているのである。

これらの是非はさておき、UNISON SQUARE GARDENも世間からそうした誹りを受けかねない要素を持つバンドだ。

数々のロックフェスに出演し、アニメタイアップ曲は20曲以上、代表曲と言える「シュガーソングとビターステップ」はアニメ「血界戦線」のエンディングテーマとして、2010年代のアニソンのスタンダードとも言える曲となっている。

しかし、彼らの曲がそうした枠で捉えきれないほど力強いことは、彼らのライブパフォーマンスを見れば一目瞭然だ。

UNISONでほどんどの曲の作編曲を担当している田淵智也アニメや声優への曲提供でも有名だ。

それらの曲とUNISON SQUARE GARDENの曲で共通しているのは、歌手ではないからこそできる歌い手のことを全く考えていない高音連発かつ複雑怪奇な独特なメロディーラインや、彼のこだわりが伺える大胆な曲の構成、一聴では理解できない独特な歌詞の言い回しである。

これらを完璧にライブでも歌いこなしながらリードギターまでもを弾いてしまうギターボーカルの斎藤宏介、ライブを通してハイカロリーな曲を連続で叩ききってしまうドラムの鈴木貴雄。そして細かく動くベースラインを弾きながらステージ上を暴れまわる作曲者兼ベースの田淵智也という、3人の強烈な個性のぶつかり合いが複雑な曲をライブでも成立させてしまうのだ。

MVよりもライブ映像の方が魅力的に映るほどの圧倒的パフォーマンス

20年間変わらないバンドとしての信念

彼らの魅力の一つはこのようなライブパフォーマンスだが、もう一つの魅力は20年という長い間ぶれていないロックバンドとしての信念である。

彼らが活動初期に作り上げた「フルカラープログラム」という曲では、「完全無欠のロックンロール」という歌詞を歌い上げているが、10周年の際にはそのアンサーソング、「プログラムContinued」という曲を書き上げ、15周年の記念ライブでは歌詞を15周年仕様に変更して披露するなど、古い曲をファンもバンド自身も非常に大事にしている。

また、昔のアルバムの曲を演奏するリバイバルツアーを何度も開催しているが、最初期のライブを再現したライブのセットリストを見ても、今のライブで演奏しても違和感のない曲ばかりで、彼らの育て作り上げてきたロックバンドとしての歴史がいかに一本筋の通ったものだったのかを伺い知ることができる。

それはアニソンタイアップソングにおいても同じであり、先程挙げた代表曲「シュガーソングとビターステップ」も、一番の歌詞ではアニメの内容に寄り添った内容を示しながら、二番では大衆に売れる音楽を作ることの正しさに疑問を投げかけるような解釈ができる、バンドとしてのスタンスをファンに提示する歌詞になっている。

また、アニメ「3月のライオン」のタイアップである「春が来てぼくら」の”「わからない」って言うなら「ざまみろって舌を出そう“という部分なども、歌詞の意味がわからないと言われるUNISON SQUARE GARDENの曲に対するアンサーにも聞こえるようになっている。

作詞者が深読みを嫌うような発言を度々していることもあり、ファンとしてもあまり歌詞を真剣に捉えないようにしているのだが、それでも節々から伝わってくるいい意味でアニソンに寄り添いすぎない歌詞自体が、彼らのロックバンドとしてのぶれのなさを表しているのではないだろうか。

とにかく一度ライブへ!!

20年間にわたり、どんな場面でもぶれることのない音楽性とバンドとしての信念を貫いてきたUNISON SQUARE GARDEN

彼らの作ってきた音楽の楽しさがもっとたくさんの人に広まってほしいし、彼らの真骨頂であるライブに足を運ぶ人が少しでも増えることを願っている。また、最後にUNISONらしさのある曲をプレイリストにまとめてみたので、UNISONを知らなかった方はぜひ聴いてみてほしい。